Indiebase編集部です。
人種差別、社会の分断、人間の心に潜む恐怖。ジョーダン・ピールは、現代社会が抱える問題をホラー映画の中に巧みに織り込み、独創的な物語と衝撃的な映像表現で世界中の映画ファンを魅了してきた監督です。
長編監督デビュー作『ゲット・アウト』では、人種差別を題材にした心理ホラーでアカデミー賞脚本賞を受賞。続く『アス』では自分たちと瓜二つの人間に襲われる恐怖を描き、『NOPE/ノープ』では壮大なSFスリラーへと表現の幅を広げています。
今回は、ジョーダン・ピールが監督・脚本を手がけた長編映画3作品を、公開順に紹介します。
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1. ゲット・アウト(2017年)

監督・脚本:ジョーダン・ピール
出演:ダニエル・カルーヤ、アリソン・ウィリアムズ、ブラッドリー・ウィットフォード、キャサリン・キーナー
黒人青年クリスは、白人の恋人ローズに誘われ、彼女の両親が暮らす郊外の屋敷を訪れます。ローズの家族はクリスを歓迎しますが、どこか不自然な言動や、屋敷で働く黒人の使用人たちの奇妙な様子に違和感を覚え始めます。やがてクリスは、この家族が隠している恐ろしい秘密に近づいていきます。
ジョーダン・ピールの長編監督デビュー作であり、第90回アカデミー賞で脚本賞を受賞した社会派ホラー。日常に潜む人種差別や偏見を、緊張感あふれるサスペンスと衝撃的な展開によって描いています。何気ない会話や登場人物の表情にも不穏な意味が込められ、物語が進むにつれて違和感が恐怖へと変わっていく構成が見事。ホラー映画としての面白さと社会的なメッセージを両立させた傑作です。
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2. アス(2019年)

監督・脚本:ジョーダン・ピール
出演:ルピタ・ニョンゴ、ウィンストン・デューク、エリザベス・モス、ティム・ハイデッカー
幼い頃に不気味な体験をしたアデレードは、大人になり、夫ゲイブと2人の子どもを連れてカリフォルニアの海辺を訪れます。しかし、楽しいはずの家族旅行は、ある夜を境に悪夢へと変わります。別荘の前に現れたのは、家族4人と瓜二つの姿をした謎の人物たち。彼らは赤い服を身にまとい、ハサミを手にして一家へ襲いかかります。
『ゲット・アウト』に続く長編監督第2作であり、「自分自身と同じ姿をした存在」という根源的な恐怖を描いたホラー映画。ドッペルゲンガーという不気味な設定を軸に、格差やアイデンティティ、社会の裏側に隠された問題を浮かび上がらせていきます。ルピタ・ニョンゴの圧倒的な演技に加え、随所に散りばめられた象徴的な演出や伏線も見どころ。鑑賞後にもう一度観返したくなる、考察要素の多い作品です。
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3. NOPE/ノープ(2022年)

監督・脚本:ジョーダン・ピール
出演:ダニエル・カルーヤ、キキ・パーマー、スティーヴン・ユァン、マイケル・ウィンコット
カリフォルニアの広大な牧場で、映画やテレビの撮影用に馬を育てている兄妹OJとエメラルド。父親が不可解な事故で亡くなった後、2人は牧場の上空で奇妙な現象が起きていることに気づきます。空に浮かぶ謎の物体の正体を突き止めようとする兄妹は、その姿を映像に収める計画を立てますが、やがて想像を絶する恐怖に直面することになります。
ジョーダン・ピールがSF、ホラー、スリラーを融合させた長編監督第3作。広大な空を舞台にしたスケールの大きな映像と、正体のわからない存在への恐怖が特徴です。一方で、単なる未知の存在との遭遇を描くだけでなく、見世物として消費される暴力や、衝撃的な映像を求める人間の欲望にも切り込んでいます。壮大なスペクタクルと社会的なテーマが重なり合う、ジョーダン・ピールならではのSFホラーです。
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ジョーダン・ピール作品に共通する魅力とは?
ジョーダン・ピールの映画に共通するのは、ホラーやスリラーというジャンルを通して、現代社会が抱える問題を描いていることです。
『ゲット・アウト』では人種差別と偏見、『アス』では社会格差や自分自身の存在、『NOPE/ノープ』では見世物として消費される暴力や人間の欲望が重要なテーマとなっています。いずれも娯楽映画として楽しめる一方で、物語の背景にある社会的な意味を考えさせる作品です。
また、観客の予想を裏切る展開や、印象的な映像表現も大きな魅力です。日常の何気ない風景や会話から不安を生み出し、やがて想像を超える恐怖へと発展させていく演出は、ジョーダン・ピール作品ならではの特徴といえるでしょう。
人間の心理と社会の矛盾を、独創的な恐怖へと変えてきたジョーダン・ピール。初めて作品に触れるなら、まずは長編監督デビュー作『ゲット・アウト』から観て、その後『アス』『NOPE/ノープ』へと進むのがおすすめです。
(文:Indiebase編集部)
