前回お伝えしたA24による「SCP財団」映画化計画(前回記事)に対し、SCP財団を運営する実在のコミュニティ「SCP Foundation Wiki」が公式声明を発表した。
声明によると、A24やSpooky Picturesから事前の相談や連絡は一切なかったという。「我々は制作陣への連絡を試みているが、いまだ成功していない」とした上で、「A24はSCP財団に関連するいかなるものについても、独占的な権利を持つことはなく、持つこともできない」と明確に否定している。
理由は、SCP財団の作品群がクリエイティブ・コモンズの「表示-継承(CC BY-SA 3.0)」ライセンスで公開されているためだ。このライセンスのもとでは誰でも自由に二次創作でき、同じライセンスで公開する義務を負う。声明では、この映画についても以下のような制約があると具体的に説明している。
・コピーを防ぐDRMなどをかけて配給することはできない
・独占配信は成立しない。誰でもこの映画をもとに再配布・改変ができ、たとえばYouTubeへのアップロードも自由
・他の誰かが同じ世界観で別の作品を作ることを止める権利もない
・劇場に複製禁止の契約を結ばせることもできない
・ライセンスに違反すれば、SCP財団関連作品を配布する権利をすべて失う
その上で、「配給側がいくら独占配信をしようとしても止める手立てがない以上、公開初日には(それより早くすら)誰かがYouTubeに映画をアップロードしているはずだ」と皮肉めいた予測を述べている。
声明は対立を煽るものではなく、最後にA24やSpooky Picturesとの対話を望む姿勢も示している。「ライセンスに準拠しながら映画を制作・配給する方法についてぜひ話し合いたい」とし、「制作陣が法的義務に従ってくれることを願っている」と締めくくった。
前回紹介した通り、A24の企画は『V/H/S』シリーズの新作としてSCP財団を題材にするものだったが、今回の声明で権利関係を巡る認識の隔たりが明らかになった形だ。
■出典
SCP Foundation公式サイト「Statement On V/H/S SCP Foundation Film」
scp-wiki.wikidot.com/statement-on-vhs-film
