森美術館(東京・六本木ヒルズ森タワー53階)で、タイの映像作家ジャッカワーン・ニンタムロンの作品を上映する「MAMスクリーン024:ジャッカワーン・ニンタムロン」が開催されている。会期は2026年10月31日(土)から2027年3月28日(日)まで。世界の多様な映像作品から選りすぐりのシングル・チャンネル作品を上映する「MAMスクリーン」シリーズの一環で、展覧会「森万里子:燦燦」と同時開催のプログラムだ。
ニンタムロンは1977年、タイ・ロッブリー生まれで、現在はバンコクを拠点に活動している。短編・長編映画からドキュメンタリー、マルチチャンネル映像インスタレーションまで幅広い形式を手がけ、仏教思想と生態学的な概念をSFやシュルレアリスムのイメージに織り交ぜながら、人間の経験を支配する目に見えない力を探る。人々の生と経験が自然環境や社会条件にいかに規定されているか、という視点がにじむ作風だ。
汚染、腐敗、再生といったテーマは、作品の主題にとどまらず、セルロイドフィルムという物理的な素材そのものにも体現されている。1960年代風の特殊効果を有機材料で作り出す手法や、あえて期限切れのフィルムを使うことで生まれる劣化の質感により、鑑賞者を虚構的な没入から引き離し、映画というメディア固有の視聴覚的な体験を際立たせる。
本プログラムは、洪水で水没した世界を筏で漂う男を描いた《根茎(リゾーム)》(2022年)を軸にした3作品の上映で、全体で約39分。《根茎(リゾーム)》は、微生物の増殖と拡散に適応することが生存に不可欠となった世界が舞台だ。異物の侵入は環境を破壊するものというより、人間と人間以外の生物の双方にとって環境を創造する条件のひとつになりうる、と示唆する作品だという。
上映作品
- 《根茎(リゾーム)》2022年 29分13秒
- 《腐敗の媒介者》2025年 5分17秒(16ミリフィルムをビデオに変換)
- 《イントランジット》2013年 4分39秒(35ミリフィルムをビデオに変換)

《根茎(リゾーム)》
2022年
ビデオ
29分13秒
Courtesy: Mit Out Sound Films, Bangkok

《腐敗の媒介者》
2025年
16ミリフィルム(ビデオに変換)
5分17秒
Courtesy: Mit Out Sound Films, Bangkok

《イントランジット》
2013年
35ミリフィルム(ビデオに変換)
4分39秒
Courtesy: Mit Out Sound Films, Bangkok
■開催情報
プログラム名:MAMスクリーン024:ジャッカワーン・ニンタムロン
会期:2026年10月31日(土)〜2027年3月28日(日)
会場:森美術館(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階)
上映時間:18:00〜22:00
※毎週火曜日と、11月27日(金)終日は上映なし。日時が追加される場合がある
開館時間:10:00〜22:00(火曜のみ17:00まで)
※11月3日(火・祝)は18:00まで、11月27日(金)は17:00まで、2月23日(火・祝)は22:00まで
※最終入館は閉館の30分前まで
料金(税込):「森万里子:燦燦」のチケットで入場できる。()内はオンラインチケット
| 平日 | 土・日・休日 | |
|---|---|---|
| 一般 | 2,800円(2,600円) | 3,000円(2,800円) |
| 学生(高校・大学生) | 1,700円(1,600円) | 1,800円(1,700円) |
| シニア(65歳以上) | 2,400円(2,200円) | 2,600円(2,400円) |
中学生以下は無料。12月30日(水)、12月31日(木)は土・日・休日料金。事前予約制(日時指定券)で、日時指定枠に空きがあれば当日窓口でも購入できる。
主催:森美術館
企画:矢作学(森美術館アソシエイト・キュレーター)
問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
