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巨大な翼を広げ、炎を噴き上げる怪物。その体には複数の人間の顔があり、頭には曲がりくねった角が生えています。
怪物の足元には、羊のような頭を持つ異形の存在が立ち、両腕を大きく広げています。
イギリスの画家ウィリアム・ブレイクが描いた『獣の数字は666』(1805年頃、ローゼンバック博物館・図書館所蔵)は、聖書の『ヨハネの黙示録』に登場する恐ろしい怪物を題材にした作品です。
タイトルにある「666」は、悪魔や世界の終末を連想させる数字として、現在も映画やゲームなどに登場します。
七つの頭と十本の角を持つ怪物
新約聖書の『ヨハネの黙示録』第13章には、海から現れる恐ろしい獣が登場します。
その獣は七つの頭と十本の角を持ち、竜から力と権威を与えられた存在として描かれています。
さらに、大地から現れるもう一頭の獣が、人々に最初の獣を崇拝させようとします。
ブレイクの作品では、上部に巨大な翼を広げた怪物、下部に羊のような頭を持つ獣が描かれています。
羊に似た姿をした獣は、黙示録に登場する第二の獣を連想させます。
聖書では、この獣は羊のような二本の角を持ちながら、竜のように語るとされています。
不吉な数字「666」の意味
『ヨハネの黙示録』第13章18節には、獣の数字が「666」であると記されています。
この数字は、神に敵対する存在を象徴するものとして広く知られるようになりました。
その正体については、古代ローマ皇帝ネロを指しているという解釈が有名です。
ネロの名前をヘブライ文字で表記し、文字に対応する数値を合計すると666になるという説です。
一方、666は不完全さや神への反逆を象徴する数字としても解釈されてきました。
こうした不吉なイメージは、後世の文学や映画、ホラー作品にも大きな影響を与えています。
ブレイクが描いた幻想的な黙示録
ウィリアム・ブレイクは、18世紀末から19世紀初頭のイギリスで活躍した詩人・画家です。
聖書や神話、独自の宗教的思想をもとに、天使や悪魔、巨大な神々が登場する幻想的な作品を数多く制作しました。

ブレイクにとって『ヨハネの黙示録』は、重要な創作の源泉の一つでした。

この作品でも、聖書の怪物を単に再現するのではなく、人間の顔や動物の体、巨大な翼を組み合わせた異形の存在として描いています。
上部の怪物は炎を噴き上げ、下部の獣は両腕を広げています。聖書に記された終末の怪物が、ブレイク独自の想像力によって奇怪な姿を与えられています。
(文:Indiebase編集部)
