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エレベーターから一歩も出られない。監視カメラ越しに無人の超高層ビルを昇る心理ホラー『Shell as Hard as Steel』体験版配信中

スペインの個人スタジオACID DROPが開発する一人称視点の心理ホラー『Shell as Hard as Steel』の無料体験版が、Steamで配信されている。製品版は2026年末の発売予定。

プレイヤーが演じるのは、夜勤で街いちばんの超高層オフィスビルに派遣されたエレベーターの保守技師。ビルは所有者が変わったばかりで、館内に他の人はいない。仕事は一見単純で、エレベーターを調整し、1フロアずつ上り、最上部の巻上装置を修理するだけだ。ただ、ビルの中は何かがおかしい。

ゲームはすべてエレベーターのかごの中で進む。外の様子を知る手段は、展開式のリモートカメラだけ。ブラウン管モニターに映る粗い映像を通して、カメラを動かし、回転させ、ライトを当て、ズームしながら各フロアを調べていく。

先へ進むには、次に止まるフロアの高さを割り出さなければならない。各フロアの高さはバラバラで、公式の設計図は役に立たない。手がかりは、閉じ込められた社員たちが残したメモや掲示物、計算の跡。そこから高さを導き出したら、テンキーで入力し、操作盤でケーブルを張り、ブレーキを外して動力を送り込む。高さを間違えれば、かごは自由落下に入る。ケーブルが切れる前に非常ブレーキを引かなければならない。ミスのたびにケーブルの耐久度も下がっていく。しかもフロアの高さはプレイごとに変わるため、同じ上昇は二度とない。

物語を語るのは、ビルそのものだ。放棄されたオフィス、飲みかけのコーヒー、次第に切迫していくメモ、壁に書かれたメッセージ。そこから、エレベーターが止まったときに何があったのかが少しずつ見えてくる。恐怖の源は、建物のことばかり語り、中にいた人のことは決して語らない企業の官僚主義や、終わりのない勤務シフトにある。モンスターも安易なジャンプスケアもなく、孤立と、そこにいた人々の痕跡が静かに積み重なっていく作りだ。

タイトルは、社会学者マックス・ヴェーバーが、効率・計算・管理を軸に組織された社会を表した言葉「stahlhartes Gehäuse(鋼鉄のように硬い殻)」に由来する。日本語では「鉄の檻」とも訳される概念だ。コントローラーでも最後までプレイできる。

エレベーターという閉ざされた空間で、数字と向き合いながらビルを昇っていく。ホラーファンは、まず体験版で、その息苦しさを確かめてみてほしい。

■Steamストアページ(体験版配信中)
store.steampowered.com/app/5014290/Shell_as_Hard_as_Steel/

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