イ・チャンドン監督の新作『もしもの愛』が、第83回ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞(審査員大賞)を受賞した。日本では10月23日(金)より一部劇場で先行公開され、11月6日(金)よりNetflixで独占配信される。
本作は、大量リストラで職を失った労働者夫婦と、ドキュメンタリー監督夫婦という2組の夫婦が絡み合いながら描く、格差社会を背景にした愛と欲望の物語。出演は、『シークレット・サンシャイン』のチョン・ドヨン、『ペパーミント・キャンディー』のソル・ギョング、『密輸 1970』のチョ・インソン、『パラサイト 半地下の家族』のチョ・ヨジョン。共同脚本には、『バーニング 劇場版』のオ・チョンミが参加している。
作品の着想源は、10年ほど前に韓国で起きた大企業の整理解雇問題だという。ヴェネチアでの受賞会見でイ監督は、「労働者がストライキをし、それを強制鎮圧する過程で社会的な衝撃もあった。私自身も多くの衝撃を受けた」と振り返り、「その人たちの話を劇映画として作って見せることに対し、私が果たして資格があるのか確信できず」10年以上シナリオに向き合い続けたと明かしている。受賞にあたっては「今後観客ともう少し深く会いたい。この賞はそういうことを激励する賞だと考える」とコメントした。
本作は第83回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門のほか、第51回トロント国際映画祭スペシャル・プレゼンテーション部門にも出品。第99回アカデミー賞国際長編映画賞の韓国代表にも選出されている。
■公式サイト
netflix.com/jp/title/82106490




イ・チャンドン監督とは
イ・チャンドンは、韓国を代表する映画監督のひとり。1997年の『グリーンフィッシュ』で長編監督デビューし、1999年の『ペパーミント・キャンディー』はカンヌ国際映画祭監督週間部門に出品されたほか、カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭とブラチスラバ国際映画祭で審査員特別賞を受賞した。2002年の『オアシス』は第59回ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞。その後も『シークレット・サンシャイン』『ポエトリー アグネスの詩』『バーニング 劇場版』など、国際映画祭で高く評価される作品を送り出してきた。『もしもの愛』は、韓国の映画監督として初のヴェネツィア審査員大賞受賞作となる。

