Indiebase編集部です。
映画の中で描かれる恐ろしい犯罪。しかし、それが現実に起きた事件をもとにしていると知った瞬間、作品の見え方は大きく変わります。
未解決の連続殺人事件、銀行強盗、誘拐、組織犯罪、冤罪疑惑。映画史には、実際の事件や犯罪者、捜査関係者などを題材にした数多くの傑作が存在します。
今回は、『ゾディアック』のように未解決事件を追う作品から、『グッドフェローズ』のように実在の犯罪者を描く作品、『罪の声』『日本で一番悪い奴ら』といった日本の事件をもとにした作品まで、「実話犯罪映画おすすめ20選」を厳選して紹介します。
※実際の事件を直接映画化した作品だけでなく、実在の犯罪・人物・捜査記録などをもとに脚色された作品も含みます。
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1. ゾディアック

監督:デヴィッド・フィンチャー / 公開年:2007年
1960年代末からアメリカ・サンフランシスコ周辺を震撼させた「ゾディアック事件」。新聞社へ暗号文や犯行声明を送りつける正体不明の殺人犯を、刑事や記者、風刺漫画家たちが追い続けます。
実際の未解決事件と、その捜査にのめり込んでいった人々を描く犯罪サスペンス。犯人探しだけではなく、答えの出ない事件に取り憑かれていく人間の執念を描いたデヴィッド・フィンチャー監督の傑作です。
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2. グッドフェローズ

監督:マーティン・スコセッシ / 公開年:1990年
幼いころからギャングの世界に憧れていたヘンリー・ヒル。犯罪組織の一員となった彼は、仲間たちと強盗や麻薬取引などに手を染めながら、裏社会でのし上がっていきます。
実在したヘンリー・ヒルの半生をもとに、マフィアの華やかさと暴力、そして崩壊を描いた犯罪映画の金字塔。テンポのいい演出と強烈な登場人物たちによって、犯罪者の日常を生々しく映し出します。
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3. 狼たちの午後

監督:シドニー・ルメット / 公開年:1975年
真夏のニューヨークで銀行強盗を決行したソニーとサル。しかし計画は開始早々から狂い始め、銀行は警察に包囲されてしまいます。人質を取ったまま立てこもる2人と警察との長い攻防が始まります。
1972年にブルックリンで発生した銀行強盗事件をもとにした作品。アル・パチーノの圧倒的な演技と、犯罪現場が次第にメディアの見世物へ変わっていく異様な状況が印象に残る名作です。
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4. アメリカン・ギャングスター

監督:リドリー・スコット / 公開年:2007年
1970年代のニューヨーク。犯罪組織の運転手だったフランク・ルーカスは、独自の麻薬流通ルートを築き、ハーレムの裏社会で巨大な力を持つ存在へとのし上がっていきます。
実在した麻薬密売人フランク・ルーカスをモデルに、その犯罪帝国の拡大と捜査当局との攻防を描いた犯罪大作。デンゼル・ワシントンとラッセル・クロウの競演も見どころで、実話をベースに大胆な脚色を加えながら犯罪組織と警察双方の世界を描きます。
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5. フォックスキャッチャー

監督:ベネット・ミラー / 公開年:2014年
オリンピック金メダリストのレスリング選手マーク・シュルツは、大富豪ジョン・デュポンから自身のレスリングチーム「フォックスキャッチャー」への参加を持ちかけられます。
実在したデュポンとシュルツ兄弟をめぐる事件を題材にした心理ドラマ。莫大な財産を持ちながら他者との関係を築けないデュポンの異様な人物像と、徐々に壊れていく人間関係が静かな恐怖を生み出します。
6. チェンジリング

監督:クリント・イーストウッド / 公開年:2008年
1928年のロサンゼルス。シングルマザーのクリスティンが仕事から帰宅すると、幼い息子ウォルターが姿を消していました。数か月後、警察は少年を発見しますが、クリスティンは目の前にいる子どもが自分の息子ではないと訴えます。
実際に起きた少年失踪事件を軸に、腐敗した警察組織とひとりの母親の戦いを描いた作品。事件の背景には、後に「ワインヴィル鶏舎殺人事件」と呼ばれる凄惨な犯罪が存在していました。
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7. モンスター

監督:パティ・ジェンキンス / 公開年:2003年
厳しい生活を送っていたアイリーン・ウォーノスは、若い女性セルビーと出会い恋に落ちます。しかし生活のために続けていた売春の中で起きたある出来事を境に、彼女は殺人を繰り返していきます。
アメリカで複数の男性を殺害し、後に死刑となった実在の連続殺人犯アイリーン・ウォーノスを描いた作品。シャーリーズ・セロンが外見から話し方まで大きく変えて演じ、アカデミー主演女優賞を受賞しました。
8. ボストン・キラー:消えた絞殺魔

監督:マット・ラスキン / 公開年:2023年
1960年代のボストンで女性が相次いで殺害される事件が発生。新聞記者ロレッタ・マクラフリンは複数の事件に共通点があることに気づき、同僚のジーン・コールとともに取材を進めます。
「ボストン絞殺魔」と呼ばれた連続殺人事件を、実在した2人の女性記者の視点から描いた犯罪サスペンス。事件そのものだけでなく、当時の報道現場や女性記者が直面した壁にも焦点を当てています。
9. リチャード・ジュエル

監督:クリント・イーストウッド / 公開年:2019年
1996年、アトランタ五輪開催中の公園で爆弾を発見した警備員リチャード・ジュエル。多くの人々を避難させた彼は一躍英雄となりますが、その後FBIの捜査対象となり、状況は一変します。
実際の爆破事件と、その容疑者として疑われたジュエルを描いた作品。犯罪捜査だけでなく、報道や世論によってひとりの人間の人生が大きく変わっていく過程を描いています。
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10. アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル

監督:クレイグ・ギレスピー / 公開年:2017年
貧しい家庭に育ちながら、フィギュアスケートの才能を開花させたトーニャ・ハーディング。しかし1994年、ライバル選手ナンシー・ケリガンが何者かに襲撃される事件が発生します。
世界的なスキャンダルとなった「ナンシー・ケリガン襲撃事件」を背景に、ハーディングの人生を描いた作品。証言が食い違う構成とブラックユーモアを交えながら、事件の当事者たちを描きます。
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11. ブラック・クランズマン

監督:スパイク・リー / 公開年:2018年
1970年代、コロラドスプリングス警察初の黒人刑事となったロン・ストールワース。新聞広告をきっかけに白人至上主義団体KKKへ接触した彼は、白人刑事と協力して潜入捜査を開始します。
実在するストールワースの回想録をもとにした犯罪ドラマ。信じがたい潜入作戦をユーモアも交えて描きながら、人種差別というアメリカ社会の問題へ鋭く切り込んだ作品です。
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12. デビルズ・ノット

監督:アトム・エゴヤン / 公開年:2013年
1993年、アーカンソー州ウェスト・メンフィスで3人の少年が殺害される事件が発生。警察は3人の若者を逮捕しますが、捜査や裁判をめぐってさまざまな疑問が浮上していきます。
世界的に知られる「ウェスト・メンフィス3」事件を題材にした犯罪ドラマ。凄惨な事件だけでなく、先入観や社会的偏見が捜査や裁判へ与える影響を描いています。
13. 殺人の追憶

監督:ポン・ジュノ / 公開年:2003年
1980年代後半の韓国。農村で女性の遺体が相次いで発見され、地元刑事パク・トゥマンとソウルから来た刑事ソ・テユンが連続殺人事件の捜査に乗り出します。
韓国で実際に起きた華城連続殺人事件をモチーフにした犯罪映画。捜査技術が十分に整っていなかった時代の刑事たちの焦りと執念を描き、ポン・ジュノ監督の代表作となった一本です。
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14. アルファ・ドッグ 破滅へのカウントダウン

監督:ニック・カサヴェテス / 公開年:2006年
麻薬取引を行う若者たちの間で起きた金銭トラブル。怒りに任せた行動から、対立相手の弟を誘拐してしまった若者たちは、取り返しのつかない状況へ追い込まれていきます。
2000年にアメリカで発生したニコラス・マーコウィッツ誘拐殺人事件をもとにした犯罪映画。軽い気持ちで始まった犯罪が、若者たちの判断によって最悪の結末へ向かっていく恐怖を描きます。
15. アメリカン・クライム

監督:トミー・オヘイヴァー / 公開年:2007年
1960年代のアメリカ。両親の事情から、妹とともにある家庭へ預けられた少女シルヴィア。しかし彼女は家の中で次第に孤立し、想像を絶する虐待を受けることになります。
1965年にインディアナ州で発生したシルヴィア・ライケンス殺害事件を題材にした作品。ひとりの加害者だけではなく、周囲の人間まで暴力へ加わっていく過程を描いた非常に重い犯罪映画です。
16. コンプライアンス 服従の心理

監督:クレイグ・ゾベル / 公開年:2012年
ファストフード店に、警察官を名乗る男から電話がかかってきます。店員の少女が客の金を盗んだという電話の指示を信じた店長は、少女を事務所へ呼び出して尋問を始めます。
アメリカ各地で発生した「ストリップサーチいたずら電話事件」をもとにした心理スリラー。電話一本と権威への服従だけで、普通の人間がどこまで異常な行動を取ってしまうのかを描く恐ろしい作品です。
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17. ブラック・スキャンダル

監督:スコット・クーパー / 公開年:2015年
1970年代のボストン。犯罪組織を率いるジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーは、FBIと協力関係を結び、情報提供者という立場を利用しながら裏社会で勢力を拡大していきます。
実在した犯罪者ホワイティ・バルジャーとFBIの関係を描いた犯罪ドラマ。特殊メイクを施したジョニー・デップが冷酷な犯罪者を演じ、犯罪組織と法執行機関の危うい共存関係を描きます。
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18. 罪の声

監督:土井裕泰 / 公開年:2020年
新聞記者の阿久津英士は、昭和最大の未解決事件を追う企画を担当することになります。一方、京都でテーラーを営む曽根俊也は、父の遺品から古いカセットテープを発見。そこに録音されていたのは、幼いころの自分の声でした。
1980年代に日本を震撼させたグリコ・森永事件をモチーフにした塩田武士の小説を映画化。事件を直接再現するのではなく、「犯罪に子どもの声が使われていたら、その後の人生はどうなったのか」という視点からフィクションとして再構成しています。
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19. 突入せよ!「あさま山荘」事件

監督:原田眞人 / 公開年:2002年
1972年、長野県軽井沢町の「あさま山荘」に武装した連合赤軍メンバー5人が人質を取って立てこもります。警察は人質救出のため、大規模な作戦を開始します。
日本中がテレビ中継を見守った「あさま山荘事件」を、警察側の視点を中心に描いた実録ドラマ。現場だけでなく、警察内部の指揮系統や組織間の対立まで描き、巨大組織が重大事件へ対応する過程を克明に映し出します。
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20. 日本で一番悪い奴ら

監督:白石和彌 / 公開年:2016年
北海道警察の刑事・諸星要一は、先輩刑事から「刑事は点数を稼いでなんぼ」と教えられ、裏社会の人間たちと関係を築きながら捜査実績を上げていきます。しかし、その手法は次第に犯罪との境界を失っていきます。
北海道警察で実際に発覚した稲葉事件をモチーフにした犯罪映画。正義を守るはずの警察官が、組織の評価と捜査実績を求めるうちに犯罪へ深く入り込んでいく姿を、綾野剛主演で描きます。
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現実だからこそ怖い、実話犯罪映画
実話犯罪映画の恐ろしさは、エンドロールが流れたあとにも物語が終わらないことにあります。
『ゾディアック』『殺人の追憶』のように実際の重大事件を題材にした作品、『モンスター』『グッドフェローズ』のように実在の犯罪者を描いた作品、『リチャード・ジュエル』『デビルズ・ノット』のように捜査や報道、司法のあり方まで問いかける作品など、実話との向き合い方もさまざまです。
日本でも、『罪の声』のように実際の未解決事件をモチーフにフィクションとして再構成した作品から、『突入せよ!「あさま山荘」事件』『日本で一番悪い奴ら』のように実際の重大事件や警察不祥事を題材にした作品まで、現実の犯罪と向き合った映画が作られてきました。
映画を観たあと、その背景にある実際の事件について調べてみると、作品をさらに深く理解できるはずです。
(文:Indiebase編集部)
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