子ども国際映画祭「第33回キネコ国際映画祭」が2026年11月3日(火・祝)、二子玉川ライズ スタジオ&ホールでクロージングセレモニーを開き、各部門の受賞作品を発表した。映画祭は10月30日(金)から11月3日(火・祝)まで、世田谷区の各会場で開催された。世界中から集まった700本以上の作品の中から、プログラミングチームが厳選した59作品(コンペティション45作品、特別上映14作品)が上映された。
井ノ原快彦、本上まなみ、藤井直樹がライブシネマに挑戦
セレモニーには、映画祭のスペシャル・サポーターを務める井ノ原快彦のほか、今年初参加の特別ゲストとして本上まなみと藤井直樹が登壇した。3人は、キネコ国際映画祭の目玉である、スクリーンの前で生で吹き替えを行う「ライブシネマ」に挑戦。映画祭でも上映されたスウェーデンの作品「スパイラル」を、井ノ原と本上、藤井の3人で上映した。井ノ原と本上は、長年ナレーターとして掛け合いを続けてきたアニメ「すみっコぐらし」でもタッグを組んでいる。

上映後、3人は次のように感想を語った。
井ノ原快彦:
今回は本上さんと藤井くんが参加してくださったというのは心強いチームで、一緒にできたことが感慨深かったです。
本上まなみ:
こんなに広い空間で皆さんに見守られながら声を出すって、本当にスペシャルな体験でした。
藤井直樹:
ずっとドキドキしてましたけど、始まったら考えている余裕もないし、楽しもうって思ってやらせていただきました。
各部門の受賞作品
45のコンペティション作品の中から、今年新設された「マインドシンボル賞」を含む各部門の受賞作品が発表された。
キネコグランプリ チルドレン短編部門:「サマー・フィルム」(リナ・ヨハンソン監督/スウェーデン/12分/2026年)
違う言葉を話す近所の友だちと遊べず、少女が映画制作に挑戦する。

キネコグランプリ チルドレン長編部門:「秘密捜査員ホーカン」(テッド・シェルソン監督/スウェーデン/94分/2025年)
イタズラ好きの少年ホーカンが、彼女ができて別人のようになった親友を救おうと、作戦を考える。

キネコグランプリ ティーンズ短編部門:「子羊どもよ」(河合琉嘉監督/日本/20分/2025年)
いつも弁当を一緒に食べていた同級生から見放された佐藤が、周りの視線から逃れられる場所を探し始める。

キネコグランプリ ティーンズ長編部門:「ルックバック」(押山清高監督/日本/58分/2024年)
学年新聞で4コマ漫画を連載する小学4年生の藤野と、不登校の同級生・京本をめぐる青春物語。

キネコグランプリ 日本作品短編部門:「味。」(岩本崇穂監督/日本/8分/2025年)
孤独を抱える中学生タケルが、学校の「朝の食事会」で人と食事の温もりに触れ、少しずつ心を開いていく。

キネコグランプリ 日本作品長編部門:「90メートル」(中川駿監督/日本/116分/2026年)
バスケ一筋だった佑が、難病を患った母の介護を優先せざるを得なくなる。人生の岐路に立つ高校生の息子と、シングルマザーの愛を綴る。

キネコグランプリ ドキュメンタリー部門:「クリスマス・ミステリー」(シリエ・エベンスモ・ヤコブセン監督/ノルウェー/75分/2026年)
毎年のクリスマスに届く「不思議なお届け物」の謎の正体を、子どもたちが突き止めようと動き出す。

マインドシンボル賞:「うたえ!さいごのクジラ」(レザ・メマリ監督/ドイツ=チェコ=カナダ/92分/2025年)
歌で海の命を守ってきたクジラたち。主人公ヴィンセントは、自分のせいで両親が亡くなったと塞ぎ込み、歌えなくなっていた。

「マインドシンボル賞」は、玉川髙島屋S.C.のホワイトモールで上映された24作品を対象に、鑑賞した人の投票で決まる、今年創設された賞だ。「マインドシンボル」は「心の景色」を表す造語で、玉川髙島屋S.C.を運営する東神開発の企業理念に基づく。
このほか、「キネコ名誉賞」は声優の野沢雅子に贈られた。
日本作品のグランプリ受賞作は、国際審査員の推薦により、長編がシュリンゲル国際子ども・青少年映画祭(ドイツ)、短編がBUFFマルメ映画祭(スウェーデン)で、招待上映されることが決まっている。
審査の仕組み
受賞作の選定は、世界中の子ども映画祭関係者による国際審査員、国際映画祭関係者と昨年出品した日本作品制作者によるドキュメンタリー審査員、そして事前募集した2つの審査員が行った。9〜12歳(小学4〜6年生)の「キネコ審査員」と、13〜18歳(中学1年生〜高校3年生)の「ティーンズ審査員」だ。チルドレン部門とティーンズ部門のグランプリは、この子どもたちの審査員が選んだ。
新たな試み
今年は、オーケストラ生演奏とライブシネマで上映する取り組みも、初めて行われた。井ノ原は、子どもたちが暗闇を怖がらずに映画を観られるよう、鑑賞前に踊ってリフレッシュできる「新しいキネコダンス」の楽曲も手がけた。
出演者コメント
スペシャル・サポーター 井ノ原快彦
世界中からいろいろな作品が集まって、しかも今回は日本の作品が海外の映画祭にも招待されるということもありましたので、昨年よりも盛り上がっていて、さらに進化したキネコができたんじゃないか、と思います。何より今回は、本上さんと藤井くんが参加してくださったというのは心強いチームで、特に本上さんとは「すみっコぐらし」でも長く一緒にやらせていただていますし、後輩の藤井くんとも一緒にできたことが感慨深かったです。
(新しいキネコダンスの作曲を手がけられたことについて)
映画祭には、ボランティアで参加してくださっている人もたくさんいますし、何かもう一つできることがないか、と最後まで考えていらっしゃるスタッフの方が多いので、その中で、子供たちが映画を観る前に、暗闇が怖くならないように、一回踊ってリフレッシュして観れるような、体操が新たに作れないか、ということで楽曲を制作することになりました。子供たちが口ずさむ曲ができてよかったと思います。今日も感動しましたけど、子供たちがみんな踊ってくれて、海外のおじさまたちも踊ってくださって、嬉しかったです。
特別ゲスト 本上まなみ
小さなお子さんの声が聞こえたり、ライブ感がとても楽しくてあっという間のひとときでした。初めての参加で少し緊張していたのですが、井ノ原快彦さんはじめみなさまから温かい雰囲気で迎えていただき、ほのぼのした居心地良い映画祭だなあと思いました。私もふたりの子がいる母親として、この混沌としている社会でどんな風に生きていくのかなと子どもたちの行く末を心配することもありますが、より良い社会になるために、という視点で作られた作品がたくさんあると思うので、それをみんなで共有しながら明るい未来に向かっていけたらな、ということを改めて感じました。子どもが、暗闇の中、大きいスクリーンで映画を観るというのはドキドキする体験だと思いますけど、それをこういう映画祭で、みんなで一緒に応援しながら観たり、踊ったりしながら観るというのは面白い素敵な経験になるでしょうね。親御さんにもお子さんたちにもいつまでも記憶に残る思い出になるんじゃないかなと感じました。
特別ゲスト 藤井直樹
ずっとドキドキしてましたし、始まる直前まで井ノ原さんにどうしましょうって言ってたんですけど、“とにかく楽しもう”って言ってくださったので、始まったら考えている余裕もないし、楽しもうって思ってやらせていただきました。
最初は凄く緊張していたんですけど、出てみると、小さい子どもたちの笑顔を見て、僕たちもふわっと笑顔になってしまいました。特に子どもの時は、映画に触れることによって、いろんな感情が湧いてきて、それが生きていく中で、人生を豊かにすると思うので、このような素敵なイベントに井ノ原さん、本上さんお二人と一緒に出ることができて、とても嬉しかったです。
■映画祭情報
名称:第33回キネコ国際映画祭
会期:2026年10月30日(金)〜11月3日(火・祝)
会場:二子玉川ライズ スタジオ&ホールほか、世田谷区の各会場
上映作品:59作品(コンペティション45作品、特別上映14作品)
主催:一般社団法人キネコ・フィルム
