Odd Talesが開発・販売するシネマティックプラットフォーマー『The Last Night』。2017年のE3でトレイラーが公開されるや世界中の話題をさらい、その後も長い沈黙と開発継続を繰り返してきた本作を、あらためて紹介したい。発売日は「未定」。プラットフォームはPC(Windows / macOS)で、日本語インターフェイス・字幕に対応予定となっている。
労働をAIに明け渡した人類の、その後の夜
人類はまず生存の時代を知り、次に労働の時代を知り、いまは余暇の時代を生きている。機械は力だけでなく、精密さでも、知性でも、創造性でも人間を追い越した。人々は「何を作るか」ではなく「何を消費するか」で自分を定義する。
この設定が書かれたのは10年近く前だが、生成AI以後のいま読むと予言めいて響く。主人公は、この超現代的な生活に馴染めずにいる青年チャーリー。人間の尊厳が奪われたと感じる彼の前に、自らの手で状況を変える機会が現れる。ただし、その代償は。

手描きドット×3D演出の「動く絵画」
本作の代名詞は、なんといってもビジュアルだ。手描き・手付けアニメーションのピクセルアートに、最先端のコンポジットとカメラワークを重ねた2D/3D融合の画面は、公開から年月を経た今見ても息を呑む。雨に濡れたネオン街を、これほど美しく描いたゲームはそう多くない。
ゲームプレイは4つの地区を自由に巡る探索を軸に、ドローンから隠れ、警官をやり過ごす状況依存のステルスとガンプレイ、そして歩きながら会話が進む「リアルタイム・アクションダイアログ」を搭載予定。会話の途中で銃を抜いて威圧することも、黙って立ち去ることもできる。NPCは夜を越えてもプレイヤーの発言を覚えているという。
原型は2014年のゲームジャム「#cyberpunkjam」で優勝した無料プロトタイプ。そこから10年以上、スタジオは今も開発を続けている。

タイトル:The Last Night
ジャンル:シネマティックプラットフォーマー / ポストサイバーパンクADV
開発・販売:Odd Tales
発売日:未定
プラットフォーム:PC(Steam / Windows・macOS)
日本語:対応予定(インターフェイス・字幕)
▶ Steamストア:『The Last Night』をチェックする
E3 2017の「あのトレイラー」に心を撃ち抜かれた人間としては、何年経とうとウィッシュリストから消す気になれない。AIが創造を担う世界で人間に何が残るのかという問いは、発表当時よりむしろ今のほうが切実だ。眠っていた企画ではなく、いまも磨かれ続けている一本。気長に、しかし本気で待ちたい。
(文:Indiebase編集部)
