Indiebase編集部です。
世界を救う「選ばれし勇者」や、正義感に燃える「熱血漢」。そんな主人公たちに、少しだけ疲れを感じてしまうことはありませんか?
たまには、暗闇から獲物を狙う側になりたい。平穏な日常を壊す側になりたい。そんな人間の奥底に眠る「破壊衝動」や「支配欲」を、エンターテインメントとして昇華させてくれるのが、今回紹介する「ヴィラン(悪役)側」のインディーゲームです。
今回は、あなたが“恐怖の対象”そのものになる、道徳心を一旦脇に置いて楽しむべき5本を厳選しました。
1. CARRION (キャリオン)
触手、粘液、捕食。人間たちが悲鳴を上げる「逆ホラー」の金字塔

- ジャンル: 逆ホラー・アクション
- 開発: Phobia Game Studio (ポーランド)
このゲームには、守るべきヒロインも、拾うべき聖剣も存在しません。あなたが操作するのは、実験施設から脱走した正体不明の「赤い不定形生物」です。 壁を這い、通気口を抜け、パニックに陥る研究員たちを触手で絡め取り、貪り喰らう。人間側の抵抗(火炎放射器や銃)を掻いくぐり、徐々に巨大化していく快感は、まさにB級ホラー映画の怪物そのもの。物理演算で動く触手の「ヌルヌルとした手触り」を操作しているだけで、脳内に危ない物質が出るのを感じるはずです。
2. Maneater (マンイーター)
復讐の牙を剥け。海域の生態系を破壊する「人喰いザメ」RPG

- ジャンル: オープンワールド・シャークアクション
- 開発: Tripwire Interactive (アメリカ)
母ザメを殺された子ザメが、人間への復讐を誓い、海を支配する「メガ・シャーク」へと進化していく物語。 最初は小さな魚を食べるのが精一杯ですが、成長すれば海水浴客を襲い、ボートを破壊し、ハンターたちを海に沈める最強の捕食者となります。シュールな実況ナレーションとともに、観光客が賑わうビーチを地獄絵図に変える背徳感。オープンワールドの広大な海を、文字通り「食い散らかす」体験は、ストレス解消にこれ以上ない劇薬です。
3. Party Hard (パーティー・ハード)
「うるせえんだよ!」深夜のどんちゃん騒ぎを終わらせる、孤独な殺人鬼

- ジャンル: ステルス・ストラテジー
- 開発: Pinokl Games (ウクライナ)
深夜3時、隣の部屋のパーティがうるさくて眠れない——。誰しも一度は抱くかもしれない「静かにさせたい」という苛立ちを、最悪の形で実行に移すゲームです。 警官に見つからないよう、ダンスフロアやキッチンに罠を仕掛け、一人、また一人と参加者を「処理」していきます。ドット絵で描かれるコミカルなビジュアルとは裏腹に、状況を冷静に分析して殺戮を遂行するストイックなゲームプレイ。音楽にノリながら、静寂を取り戻すための冷徹な仕事が始まります。
4. Sea Salt (シーソルト)
「捧げ物が、足りない。」裏切られた旧支配者となり、村を蹂躙する群れを率いよ

- ジャンル: アクション・ストラテジー
- 開発: YCJY Games (スウェーデン)
クトゥルフ神話的な「旧支配者」となり、自分を裏切った人間たちに死の制裁を下すゲーム。プレイヤーは巨大な魔物自身ではなく、その使徒である「魔物の群れ」を指揮します。 影から溢れ出す無数の虫や奇怪な眷属を操り、逃げ惑う村人や抵抗する聖職者を飲み込んでいく様は、まさに災厄そのもの。ドット絵で描かれる暗く湿ったビジュアルと、断末魔の叫び。人間に慈悲を乞う暇も与えず、ただ「静かなる怒り」としてすべてを平らげる、神の視点の恐怖を味わえます。
5. Untitled Goose Game 〜いたずらガチョウがやって来た!〜
世界一の嫌われ者。平和な村を混沌に陥れる「ガチョウ」という名の災厄

- ジャンル: ステルス・サンドボックス
- 開発: House House (オーストラリア)
血も流れない、死体も出ない。しかし、ある意味で最も質が悪く、最も愛すべき「ヴィラン」がこのガチョウです。 あなたの目的はただ一つ、「村人の生活をめちゃくちゃにすること」。おじさんの眼鏡を盗み、少年の靴紐をほどき、お茶の時間を台無しにする。ボタン一つで鳴ける「ガッ!」という鳴き声は、村人にとっては絶望の合図であり、プレイヤーにとっては最高に愉快な音楽です。小さな悪意を積み重ねて、平和な村を混乱の渦に叩き込みましょう。
■ Indiebase編集部より
なぜ、私たちは「悪役」に惹かれるのでしょうか。 それは、現実社会で求められる「善良さ」という仮面を脱ぎ捨て、本能のままに振る舞える「解放区」がそこにあるからかもしれません。ゲームの中で思う存分暴れた後は、不思議と心もスッキリしているはず。
今夜は勇者の剣を置いて、暗闇に潜む怪物の爪を研いでみませんか?
(文:Indiebase編集部)
