こんにちは、CHAPATAです。 第5回で紹介するのは、現在デモ版が公開され、インディーホラー界隈で「最も嫌な汗をかくゲーム」として発売が熱望されている期待作、『Silkbulb Test』。
本作の舞台は、無機質な検査室。 あなたはただ、スクリーンに映し出される指示に従って「テスト」を受けるだけです。……背後に“何か”がいる気配を無視できるなら、ですが。
■ アナログホラーが到達した「質感」の暴力
まず、このゲームのグラフィックは「網膜への攻撃」そのものです。 ザラついた粒子、歪んだ魚眼レンズのような視界、そして現実味のないライティング。 昨今のアナログホラーの文脈を完璧に汲み取っていますが、本作の凄みはその「音」と「間」にあります。 静寂の中に響く、自分の呼吸音と機械の駆動音。 「何も起きていない時間」こそが、プレイヤーの脳を最も効率よく破壊していきます。

■ 「正解」を求めるほど、狂気に近づく
デモ版で体験できるのは、流れてくる画像を見て「ライトを点けるか」「点けないか」といった単純な判断を繰り返すテスト。 しかし、その画像に映り込む「違和感」が、あまりにも生理的に受け付けない。 人の形をしているけれど、決定的に何かが違う「それ」。 最初はただの間違い探しだと思っていたものが、次第に「自分自身が何か別の存在に作り替えられている」ような錯覚に変わっていきます。 あなたはテストを受けているのか? それとも、何かの「苗床」にされているのか?

■ 視線を逸らすことが許されない恐怖
本作最大の特徴は、一度始めると「視点を固定される」拘束感にあります。 振り向きたいけれど、振り向くのが怖い。 けれど、画面に集中しなければテストは終わらない。 この「強制的な注視」が、脳の防衛本能をじわじわと麻痺させていきます。 時折混じる、説明不能なノイズと叫び。 デモ版を終えた後、私は自分の部屋の明かりを点ける際、一瞬だけ指が止まるようになりました。

■ CHAPATAコメント 「理解」を置き去りにする、純粋な恐怖の抽出
『Silkbulb Test』は、ストーリーや理屈を一切排除し、「恐怖」という感情だけを濃縮還元したような作品です。 1bitホラーやレトロ風ホラーとも違う、もっと生々しく、粘り気のある悪夢。 「テスト」という体裁をとっているからこそ、私たちは拒絶できずに最後まで網膜を焼き付けられてしまう。 もしかすると、このゲーム自体が、我々プレイヤーが「どこまで狂気に耐えられるか」を測るための、本物の実験装置なのかもしれません。
……おめでとうございます。あなたは「合格」ですよ。

さあ、ペンを置いて、スクリーンの前に。あなたの「適性」を証明する時間は、もうすぐそこまで来ています。
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※本記事内の画像は、本作のSteamストアページにて公開されているスクリーンショット画像を使用しています。
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(文:CHAPATA)
