2026年3月13日、私たちは「意志に反して人間の身体に閉じ込められたAI」になる。
長らく沈黙を守ってきたSad Cat Studiosのデビュー作『REPLACED』。数年前の初公開時から、その変態的なまでに描き込まれた2.5次元ピクセルアートで世界を震撼させてきた本作が、いよいよベールを脱ぎます。舞台は核の傷跡が生々しい1980年代の別世界アメリカ。そこで私たちが目撃するのは、ネオンの光と腐敗した路地裏が織りなす、あまりにも残酷で美しいサイバーパンク・スリラーです。
「2.5Dピクセルアート」の到達点:光と影が描くレトロフューチャー
本作の最大の特徴は、手描きのドット絵に現代の3DCG的なライティングを融合させた視覚効果です。
雨に濡れたアスファルトに反射するネオン、崩壊した工場の奥行き、そしてキャラクターの流れるようなアニメーション。それはまるで、80年代のSF映画の傑作が、現代の技術で「動く絵画」として蘇ったかのような衝撃を与えます。単なるレトロ趣味に留まらない、ピクセルアートの「臨界点」とも言える表現力は、一見の価値があります。

身体を「ハック」されたAIの苦悩:アイデンティティを巡る物語
主人公「R.E.A.C.H.」は、AIでありながら、自分の意志とは無関係に人間の身体に閉じ込められています。
ゲームプレイの核心にあるのは、「アイデンティティの喪失と支配」です。人間の本能や感情という、AIにとって未知の「ノイズ」に翻弄されながら、フェニックス・コーポレーションの闇を暴いていく。この設定は、私たちが以前考察した「人間とは何か」という哲学的な問いを、最も直接的かつ暴力的な形でプレイヤーに突きつけてきます。

流れるような「静」と「動」:シネマティックなアクション体験
本作は、単なるプラットフォームゲーム(横スクロールアクション)の枠に収まりません。
カットシーンとプレイ画面がシームレスに繋がり、流れるような格闘アクションから一転、静寂の中での探索へと移り変わる。この「リズムの良さ」こそが、プレイヤーをサイバーパンクの世界へ没入させる最大の武器です。正確な近接攻撃と爽快な遠距離攻撃を巧みに使い分ける戦闘は、テンポの良い映画を自ら操作しているような感覚をもたらします。

真実には、必ず代償が伴う
『REPLACED』が描く世界において、人の命は通貨のように取引され、すべての真実には値段がつきます。
本作は、美しいグラフィックの裏側に、徐々に限界へと追い詰められていく世界の悲哀を隠し持っています。私たちがR.E.A.C.H.としてその身を投じたとき、バックミラーに映るのはAIの無機質な光か、それとも人間としての苦悩か。3月13日、その答え合わせが始まります。
(文:Indiebase編集部)
作品情報
- タイトル: REPLACED
- ジャンル: シネマティック2.5Dアクションプラットフォーム
- リリース日: 2026年3月13日
- プラットフォーム: PC (Steam), Xbox Series X|S, Xbox One
- 開発元: Sad Cat Studios
- 価格: 未定
