世の中には、爽快感や達成感とは無縁のゲームが存在します。プレイ中はずっと胃が重く、エンディングを迎えた後には虚無感で立ち上がれなくなる。そんな「鬱ゲー」と呼ばれる作品群が、なぜこれほどまでに多くのプレイヤーを惹きつけてやまないのでしょうか。
それは、これらが安易なハッピーエンドを拒絶し、人間の業(ごう)や剥き出しの倫理観を突きつけてくるからに他なりません。今回は、あなたの人生に消えない傷跡を残す、トラウマ級のインディーゲーム5本を厳選しました。
1. This War of Mine
「ただ生き残る」ために、あなたはどこまで人間を捨てられるか

- 開発: 11 bit studios (ポーランド)
- 心が壊れる理由: 兵士ではなく、戦火に取り残された「一般市民」として生存を目指すサバイバルゲームです。飢えと寒さをしのぐため、親切な老夫婦から薬を奪い、仲間の死を淡々と処理する。その過程で突きつけられる「お前は人殺しをしてまで生き残りたいのか?」という問いが、プレイヤーの倫理観を鋭く抉ります。
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2. OMORI
パステルカラーの夢の裏側に隠された、あまりに無慈悲な「真実」

- 開発: OMOCAT (アメリカ)
- 心が壊れる理由: 引きこもりの少年を主人公に、色鮮やかな夢の世界と、冷え切った現実世界を行き来するサイコロジカルホラー。一見、可愛らしいドット絵のアドベンチャーですが、物語の核心に触れた瞬間、すべてが暗転します。後悔と罪悪感の描き方が凄まじく、エンディング後の喪失感は一生モノです。
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3. NEEDY STREAMER OVERLOAD(ニーディストリーマーオーバードーズ)
承認欲求という名の猛毒。壊れていく少女を「プロデュース」する地獄

- 開発: WSS playground (日本)
- 心が壊れる理由: 精神的に不安定な少女「あめちゃん」を最強の配信者に育てるシミュレーション。SNSの誹謗中傷、自傷、薬物依存……現代の闇をこれでもかと凝縮した展開は、あまりにリアルで生々しい。プレイヤーは彼女を救おうとするほど、彼女を破滅へと追い込んでいく矛盾に絶望することになります。
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4. Papers, Please
事務的な作業の果てに、あなたの「人間性」が死んでいく

- 開発: Lucas Pope (アメリカ)
- 心が壊れる理由: 共産主義国の入国審査官となり、書類の不備をチェックするだけのゲームです。しかし、ミスをすれば自分の家族が飢え、見逃せばテロが起きる。困窮する隣人と、自身の生活の天秤。「正しい選択」など存在しない極限状態での事務作業は、精神をじわじわと摩耗させます。
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5. That Dragon, Cancer
これは「ゲーム」ではない。ある家族の、あまりに短く残酷な記録

- 開発: Numinous Games (アメリカ)
- 心が壊れる理由: 癌と戦い、わずか5歳でこの世を去った実在の少年とその家族の記録をもとにした作品。プレイヤーは抗うことのできない「死」という結末に向かって、ただひたすらに祈り、絶望する過程を追体験します。フィクションの鬱展開を凌駕する、現実の重みが心に深い爪痕を残します。(日本語のサポートはありません。)
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■ Indiebase編集部より
今回紹介したタイトルは、どれも「楽しい」という言葉では表現できません。しかし、これらの作品が描く痛みや苦しみは、私たちが現実から目を背けている「生」の一部でもあります。
もし、今夜あなたが「自分の心がどこまで耐えられるか」を試したいのなら、これらの扉を叩いてみてください。ただし、一度中に入れば、元のあなたには戻れないかもしれません。
(文:Indiebase編集部)
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本記事の画像引用について
本記事で使用しているゲーム画面およびアートワークの著作権は、各開発元・配信元に帰属します。
出典: Steam ストアページ
