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「リミナルスペース」の歩き方。どこか懐かしくて怖い、”異界”を旅するゲーム特集

Indiebase編集部です。 深夜のコインランドリー、誰もいない市民プール、閉店後のショッピングモール。 見慣れているはずなのに、なぜか背筋が凍るような感覚——それを「リミナルスペース(Liminal Space)」と呼びます。

ネット・ミームとして始まったこの美学は、インディーゲーム界において独自の進化を遂げました。 それは、ゾンビも殺人鬼も出てこない、ただ「空間」だけがそこに在る恐怖。 静寂と美しさが精神を侵食していく体験です。

今回は、『8番出口』以降定着したこのカルチャーを深く味わうための、「迷い込む」ゲームを5本紹介します。


1. POOLS (プールズ)

怪物はいない。あるのは「水の音」と「白いタイル」の狂気だけ

  • ジャンル: ウォーキングシミュレーター
  • 開発: Tensori (フィンランド)

「The Backrooms」から派生した「Poolrooms」という概念を、極限まで美しく映像化した作品。 敵は出ない。ゲームオーバーもない。ただひたすらに、出口のない広大なプール施設を歩き続ける。 反響する水音、どこからともなく聞こえる空調のノイズ、そして無機質な白いタイル。 「何かが出るかもしれない」という予感だけが永遠に続くストレスは、下手なホラーゲームよりも遥かに精神を削ります。 4K解像度でテクスチャの美しさに没入したい、デジタル観光客のための虚無。

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2. 8番出口 (The Exit 8)

日本の地下通路を「異界」に変えた、歴史的転換点

  • ジャンル: 異変探しウォーキングシム
  • 開発: KOTAKE CREATE (日本)

「リミナルスペース」という概念を、日本の一般層にまで浸透させた功労者。 我々が普段利用している「日本の地下鉄の通路」があまりにリアルに再現されているからこそ、そこに生じるわずかな「ズレ(異変)」が強烈な不気味さを生みます。 おじさん、ポスター、点字ブロック。日常と非日常の境界線が曖昧になる感覚。 このゲームが発明したのは、間違い探しではなく「既視感(デジャヴ)のホラー化」でした。

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3. The Classrooms (ザ・クラスルームズ)

入るたびに構造が変わる、無限の「夜の学校」

  • ジャンル: ファウンド・フッテージ / サバイバルホラー
  • 開発: Xene (アメリカ)

『Interior Worlds』のようなVHS風のザラついた画質で、不気味な「夜の学校」を探索するホラーゲーム。 舞台は日本の学校を模していますが、その廊下は無限に続き、入るたびに構造が変化します(ローグライク要素)。 最大の特徴は「マイク連動システム」。プレイヤーが現実で悲鳴を上げたり、息を呑む音を立てたりすると、徘徊する敵に見つかってしまうことがあります。 薄暗い教室、誰もいないプール、響く足音。ノスタルジーと緊張感が入り混じる、真夜中の校舎探索です。

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4. Superliminal (スーパーリミナル)

「遠近法」が狂う。夢の中の療法へようこそ

  • ジャンル: 一人称視点パズル
  • 開発: Pillow Castle (アメリカ)

ホラーではありませんが、リミナルスペースが持つ「夢のような非現実感(ドリームコア)」を体験できるパズルゲームです。 「強制的遠近法」をテーマにしており、手の中の小さなチェスの駒を、遠くの机に置こうとすると巨大化する——といった、認知の歪みを利用して進みます。 病院やホテルを模したステージは美しくも奇妙で、自分が立っている床さえ信じられなくなる感覚は、まさに悪夢と紙一重の不思議な浮遊感をもたらします。

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5. NOSTALGIC TRAIN (ノスタルジックトレイン)

「日本の夏」の原風景。蝉時雨と、消失した人々

  • ジャンル: ミステリー / ウォーキングシミュレーター
  • 開発: 畳部屋 (日本)

「リミナルスペース」とは、無機質なタイル張りの部屋だけではありません。 眩しい日差し、うるさいほどの蝉の声、木造の駅舎。 一見すると美しい日本の田舎の風景ですが、そこには「自分以外、誰もいない」のです。 神隠しにあったような不安感と、胸を締め付けるようなノスタルジー。 Unreal Engine 4で描かれた圧倒的にリアルな情景の中を歩き、少し切ない物語の断片を集める体験は、まさに異界への小旅行です。

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■ Indiebase編集部より

リミナルスペースの魅力とは何でしょうか。 それはおそらく、社会的な役割(仕事、人間関係、時間)から切り離された、「完全な孤独」への憧れなのかもしれません。

これらのゲームの中では、あなたは誰にも邪魔されず、ただ「空間」と対峙することができます。 今夜は部屋の明かりを消して、どこにも繋がっていない廊下を歩いてみませんか。

(文:Indiebase編集部)


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本記事の画像引用について
本記事で使用しているゲーム画面およびアートワークの著作権は、各開発元・配信元に帰属します。
出典: Steam ストアページ

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