レゲエミュージックを世界的なムーブメントへと導いた巨匠、シンガーソングライターのジミー・クリフさんが、81歳で永眠されました。
訃報は、妻のラティファ・チェンバース氏により2025年11月24日に公表されました。死因は、発作に続く肺炎であったとのことです。
チェンバース氏は、クリフさんのキャリアを支えた世界中のファンに向け、「皆さんの変わらぬサポートが彼の力でした」と、感謝のメッセージを伝えています。
インディペンデントの魂を宿した映画
クリフさんの功績の中で、当Indiebaseが特に注目するのは、1972年のカルト映画『ハーダー・ゼイ・カム(The Harder They Come)』です。
彼は、貧しいながらも音楽での成功を夢見る青年アイヴァン・マーティンを主演として演じました。この作品は、ハリウッド大作とは一線を画す、ジャマイカのリアルなストリートカルチャーと、レゲエというインディペンデント・ミュージックの力強さを世界に知らしめた金字塔です。

サウンドトラックもまた傑作であり、彼の楽曲「The Harder They Come」は、抑圧の中でも諦めない独立した精神の象徴となりました。
世界に響かせた普遍的なメッセージ
1944年にジャマイカで生まれたクリフさんは、14歳でヒット曲を出すなど、若くして頭角を現しました。その後、「Wonderful World, Beautiful People」やボブ・ディランに絶賛された「Vietnam」といった、社会的なメッセージ性の強い楽曲で国際的な成功を収めます。
2010年にはロックの殿堂入りを果たし、ボブ・マーリーに次いで二人目のジャマイカ人としてその栄誉に輝きました。晩年まで精力的に活動し、その音楽は時代を超えて聴衆を鼓舞し続けました。
偉大なレジェンドの逝去に際し、心よりご冥福をお祈りいたします。
Indiebase編集部