降りしきる酸性雨、天を突く摩天楼の谷間、怪しげな日本語のネオンサイン、そして路地裏に吹き溜まる蒸気と人々。
映画『ブレードランナー』が視覚的に決定づけた「サイバーパンク」の世界観は、数十年が経過した今なお、色褪せることなく私たちを魅了し続けています。高度なテクノロジーと、それとは対照的な退廃的な生活(ハイテク&ローライフ)が同居するその景色は、なぜこれほどまでに美しいのでしょうか。
今回は、そんな雑多で猥雑な近未来の「裏通り」の空気を、圧倒的な密度で描き出したインディーゲーム5本を厳選。メジャータイトルでは味わえない、先鋭的なサイバーパンク体験をお届けします。
1. Cloudpunk
雨に煙る摩天楼の谷間を、空飛ぶ配送車で駆け抜ける

- 開発: ION LANDS (ドイツ)
- サイバーパンク好きに刺さるポイント: プレイヤーは、違法な運び屋「クラウドパンク」のドライバーとなり、空飛ぶ車(HOVA)で都市ニヴァリスを飛び回ります。眼下に広がる雲海のようなネオン街、車窓を叩く雨音、そして一癖も二癖もある依頼人たちとの会話。サイバーパンク都市の「空気感」を摂取することにおいて、本作の右に出るものはありません。
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2. Stray
人類が消えた後の電脳都市を、一匹の猫として彷徨う

- 開発: BlueTwelve Studio (フランス)
- サイバーパンク好きに刺さるポイント: 主人公は、怪我をした一匹の猫。舞台は、人間が姿を消し、ロボットたちが独自の社会を築いている地下都市です。猫の低い視点から見上げるサイバーシティは新鮮で、錆びついたパイプ、乱立する室外機、そして人間を模倣して暮らすロボットたちの哀愁漂う姿が、退廃的な美しさを極限まで高めています。
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3. Tales of the Neon Sea
極彩色のピクセルアートで描く、レトロフューチャーな探偵譚

- 開発: Palm Pioneer (中国)
- サイバーパンク好きに刺さるポイント: アジアの混沌とした街並みを、緻密なドット絵で表現したポイント&クリックアドベンチャー。元刑事の探偵が、巨大な陰謀に巻き込まれていきます。特筆すべきは、その猥雑なアートワーク。画面を埋め尽くす看板やガジェットの数々は、90年代のアニメーションが持っていた熱量をそのまま現代に蘇らせたかのようです。猫を操作して情報を集めるパートも。
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4. Citizen Sleeper
企業の所有物として生きる。「肉体」と「自由」を巡るテキストRPG

- 開発: Jump Over The Age (イギリス)
- サイバーパンク好きに刺さるポイント: 舞台は、無法地帯となった宇宙ステーション。プレイヤーは、企業の所有物である疑似生命体「スリーパー」として、追っ手から逃れながら日銭を稼ぎます。派手なアクションはありませんが、TRPGのようにダイスを振って行動を決め、テキストを読み進めることで、搾取される側のリアリティや、サイバネティクス技術がもたらす倫理的な問いに深く没入できます。
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5. ANNO: Mutationem (アノー:ミューテーショネム)
2Dと3Dが融合した香港風サイバーパンクで、鮮烈な剣戟アクションを

- 開発: ThinkingStars (中国)
- サイバーパンク好きに刺さるポイント: 2Dのキャラクターと3Dの背景を組み合わせた独特のビジュアルが特徴のアクションRPG。ネオンきらめく香港風の都市を自由に探索できるアドベンチャーパートと、巨大な剣や銃を駆使して戦う爽快なバトルパートがシームレスに融合しています。SCP財団などの影響を受けた、奇妙でダークな世界観も魅力です。
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■ Indiebase編集部より
サイバーパンクの魅力は、輝かしい未来の光ではなく、その足元に伸びる「影」の部分にこそ宿ります。
今回紹介した作品たちは、どれも社会の周縁で生きる者たちの視点から、歪んだ未来都市を描き出しています。高度に発達したテクノロジーの中で、人間性(あるいは猫性)がどのように変化し、何が失われないのか。雨とネオンの向こう側にある、それぞれの答えを探索してみてください。
(文:Indiebase編集部)
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本記事の画像引用について
本記事で使用しているゲーム画面およびアートワークの著作権は、各開発元・配信元に帰属します。
出典: Steam ストアページ
