Indiebase編集部です。 ゲームのグラフィック技術が向上して、最も進化したのは何だろうか。 爆発のエフェクト? 水の表現? いや、それは間違いなく「料理のシズル感」だ。
インディーゲームの開発者たちは、なぜか異常なまでの情熱を「食べ物」に注ぐ傾向がある。 油が跳ねる音、湯気の揺らめき、具材がパンに沈み込む物理演算。 それらはモニター越しに我々の脳を刺激し、深夜のカップラーメンへと手を伸ばさせる危険なトラップだ。
今回は、ダイエット中の方には決して推奨できない、「匂いまで漂ってきそうな」飯テロ・インディーゲームを10本選出した。 プレイする際は、必ず手元にスナックを用意しておくこと。これは警告だ。
1. Dave the Diver (デイヴ・ザ・ダイバー)
昼は深海魚、夜は極上の寿司。人類の食欲をハックする

- ジャンル: 海洋探検 / 寿司屋経営
- 開発: MINTROCKET (韓国)
世界中で大ヒットした、説明不要の「飯テロ」ゲーム。 自分が獲った魚が、夜には美しい寿司へと変わる。そのプロセスが食欲を増幅させる。 ドット絵と3Dを融合させた料理シーンのカットインは必見。 サメの頭を丸ごと揚げたり、深海魚を味噌漬けにしたり。バンチョの包丁さばきと、客が寿司を頬張った時の幸福な表情を見ているだけで、口の中が醤油の味になってくる。
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2. UMAMI (ウマミ)
木製なのに美味しそう? 「お弁当」を詰めるような至福の3Dパズル

- ジャンル: フードパズル
- 開発: Mimmox
2025年11月にリリースされたばかりの、今最も注目すべき「癒やし系飯テロ」作品。 ルールはシンプル。木製のブロックを回転させ、型にはめて、サンドイッチやケーキといった料理を完成させるだけ。 不思議なのは、素材が「木」のような質感であるにも関わらず、完成品が猛烈に美味しそうに見えることだ。 パンのふっくらとした厚み、具材の重なり、そしてカチリとハマる心地よい音。 美しいお弁当箱を隙間なく詰める時のような快感と、完成した料理を眺める満足感。制限時間もなく、ただ「美味しさ」を組み立てる時間に没頭できる。
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3. Venba
スパイスの香りが弾ける。南インド料理と、母の愛の物語

- ジャンル: 料理ナラティブ
- 開発: Visai Games (カナダ)
カナダに移住したインド人家族の物語を、「料理」を通じて描く傑作。 ドーサ、イドゥリ、ビリヤニ。馴染みのない南インド料理が登場するが、その調理工程の表現力が凄まじい。 クレープ生地を広げる音、スパイスが油で弾けるパチパチという音(ASMR)。 レシピブックの滲んだ文字を解読しながら料理を完成させた時、そこには単なる食事以上の「故郷の記憶」が香り立つ。
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4. Good Pizza, Great Pizza (グッドピザ、グレートピザ)
チーズの伸びまで愛おしい。ピザ職人の禅(Zen)

- ジャンル: ピザ屋経営シミュレーション
- 開発: TapBlaze (アメリカ)
「ペパロニ半分、マッシュルーム半分、よく焼いて」。 客の細かい注文通りに生地をこね、ソースを塗り、具材を並べる。 本作の魅力は、その手作業の「触感」だ。チーズが溶けるアニメーションや、ピザカッターでサクッと切る瞬間の感触が、デフォルメされた絵柄でありながら妙にリアルな空腹感を誘う。 深夜、無性にデリバリーピザを頼みたくなった経験があるなら、このゲームは危険すぎる。
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5. Touhou Mystia’s Izakaya (とうほう夜雀食堂)
ドット絵料理の到達点。幻想郷で最も賑やかな居酒屋

- ジャンル: 居酒屋経営RPG
- 開発: Dichroic Purplium (中国)
「東方Project」の二次創作だが、原作を知らなくても「ドット絵飯テロ」の最高峰として遊ぶ価値がある。 屋台を経営し、訪れる客に料理を振る舞うのだが、そのドット絵の描き込みが執念を感じるレベルだ。 黄金色に輝く天ぷら、湯気が立つ鍋、ツヤツヤの刺身。 調理中に流れる歌と、客たちの満足げな反応。居酒屋の「ガヤガヤした楽しさ」と「美味しい匂い」を完璧にパッケージングした一作。
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6. Dungeon Munchies (ダンジョンマンチーズ)
魔物を狩って、煮て、食らう。ゲテモノ・グルメアクション

- ジャンル: 横スクロールアクション
- 開発: maJAJa (台湾)
「ダンジョン飯」的な世界観が好きならマストプレイ。 倒したモンスター(巨大な虫や植物)を素材にして料理を作り、それを食べて能力を得る。 素材はグロテスクだが、ネクロマンサーのシェフ「シマー」が作る料理は、不思議と食欲をそそるビジュアルをしている。 「フライド・モスキート」や「毒キノコのソテー」。禁断の味を想像しながら、胃袋を強化してダンジョンを突き進め。
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7. inbento (インベントウ)
猫と手作り弁当。パズルが生む「母の味」

- ジャンル: お弁当パズル
- 開発: Afterburn (ポーランド)
『UMAMI』が3Dのフードパズルなら、こちらは2Dパズルの名作だ。 レシピ通りにおかずやご飯を並べ替え、お弁当箱を完成させる。 パズルの合間に挟まれる、猫の親子のストーリーが胸を打つ。手作りのお弁当が持つ「冷めても美味しい」温かみと、具材のテクスチャの可愛らしさ。 頭を使った後の甘い卵焼きのように、心に優しく染み渡る作品。
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8. Battle Chef Brigade Deluxe
狩って、パズルで、極上の料理を。ファンタジー版「料理の鉄人」

- ジャンル: アクションパズル
- 開発: Trinket Studios (アメリカ)
ファンタジー世界で食材となるモンスターを「狩り」、集めた食材をパズルで「調理」して、料理対決に挑む。 特筆すべきは、完成した料理の手描きイラストの破壊力だ。 架空の食材を使っているはずなのに、湯気、照り、ソースの質感などが「ジブリ飯」のように食欲を刺激する。 審査員が一口食べた瞬間の、恍惚としたリアクションも含めて味わいたい、目と耳で楽しむグルメゲーム。
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9. Coffee Talk
深夜のコーヒーと、ミルクとハチミツの甘い香り

- ジャンル: ノベル / カフェシミュレーター
- 開発: Toge Productions (インドネシア)
飲み物だって立派な「飯テロ」だ。 雨の夜、客の好みに合わせて淹れる温かいコーヒー、抹茶ラテ、そしてココア。 液体を注ぐ音と、カップから立ち上る湯気。サイドメニューとして登場する訳でもないのに、会話の端々に出てくる料理の話題も妙に美味しそうだ。 静かな夜、温かい飲み物を片手に、誰かの人生に耳を傾ける贅沢な時間。
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10. SHIBUYA SUSHI MASTER
2600年の渋谷で握る、サイバーパンクな一貫

- ジャンル: 寿司職人アドベンチャー
- 開発: TOONLEAGUE (日本)
最後に紹介するのは、先日発表されたばかりの期待作。 水没した渋谷で、屋形船の寿司屋を営む。 ピクセルアートで描かれる寿司は、伝統的なネタから「機械」「宇宙生物」まで多種多様。 Lo-Fiな音楽と共に、客の悩みに合わせて寿司を握る体験は、令和の『VA-11 Hall-A』になる予感を秘めている。 まだ食べられない(未発売)が、ウィッシュリストに入れて開店を待つ価値のある一皿だ。
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Indiebase編集部より
ゲームの中の料理は、決して腹を満たしてはくれない。 しかし、「美味しそう」と感じて心が満たされる瞬間、それは本物の食事と同じくらい豊かな体験になる。
さて、記事を書き終えた今、編集部は猛烈な空腹に襲われている。 今夜の夕食は、寿司にするか、それともピザにするか。それが最大の問題だ。
(文:Indiebase編集部)
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本記事の画像引用について
本記事で使用しているゲーム画面およびアートワークの著作権は、各開発元・配信元に帰属します。
出典: Steam ストアページ
