1984年、当時32歳の坂本龍一の日常と創作を記録した幻のドキュメンタリー映画『Tokyo Melody Ryuichi Sakamoto』が、約40年の時を経て4Kレストア版として蘇り、2026年1月16日(金)より全国順次公開されることが決定した。
フランスの監督エリザベス・レナードが、わずか1週間の東京滞在で撮影した本作は、長らくVHSやDVDも入手困難な状況が続いていたが、近年になって16mmフィルムが発見・修復され、デジタル化が実現した。
80年代東京の息吹と、変わりゆく文化の音
撮影は、坂本龍一が4枚目のソロアルバム『音楽図鑑』の制作を始めた1984年5月に行われた。映像には、当時の東京という街、そして日本という国が持つ息苦しいほどのエネルギーが鮮明に記録されている。
渋谷スクランブル交差点、新宿アルタ、原宿の竹の子族といった80年代カルチャーの象徴的な風景とともに映し出されるのは、変わりゆく社会と文化、そして自身の創作プロセスについて語る若き坂本の姿だ。
音楽家の思考の深部と、貴重なアーカイブ
約60分強のこのドキュメンタリーは、坂本の貴重なインタビューやスタジオでのレコーディング風景に加え、彼が出演したCM、YMOの散開コンサート、大島渚監督の『戦場のメリークリスマス』(83)の印象的な一場面といった、音楽家・俳優としての多岐にわたる活動のアーカイブを収めている。
映像は、坂本が幼少期の記憶を辿り、育った街に耳を澄ませる姿を捉える。時代の流れを肌で感じながら、彼はどのような未来を見つめ、どのような音楽を追い求めていたのか。世界的音楽家として人々の心に生き続ける坂本龍一の若き日のポートレートを通して、その思考の深部と、当時の《東京の音》を体感できる貴重な機会となる。
映画情報
| 項目 | 詳細 |
| 作品名 | Tokyo Melody Ryuichi Sakamoto (4K レストア版) |
| 公開日 | 2026年1月16日 (金) より全国順次公開 |
| 監督 | エリザベス・レナード |
| 出演 | 坂本龍一、矢野顕子、細野晴臣、高橋幸宏 他 |
| 音楽 | 坂本龍一 |
| 製作年 | 1985年(撮影1984年)|62分 |
| 配給 | エイベックス・フィルムレーベルズ |
| 公式サイト | https://tokyomelody.com/ |